肩こりの歴史

『肩こり』は 現在、日本人の7割の人が悩まされている国民病と言われています。

肩こりの歴史は人類が狩猟生活から農耕生活に変化し始めた紀元前までさかのぼるそうです。

当然、この辛い症状を解消するために

  • 患部を揉む
  • 薬を貼る
  • 薬を飲む

など様々な努力が行われてきました。

その中でも、中国北部の新石器時代の遺跡から肩のツボを刺激する鍼のような石が発見されていることから、人類と鍼の歴史の深さがうかがえます。

しかし、当時は『肩こり』という言葉はなく、文献としては江戸時代、世間に広まって一般化したのは1900年を過ぎてからになるそうです。

日本人の統計データ

都道府県別腰痛ランキング

総務省統計局人口推計(2016年)による都道府県別肩こりランキングによると

  • 1位:奈良県
  • 2位:徳島県
  • 3位:大阪府
  • 15位:東京都
  • 34位:神奈川県・千葉県
  • 47位:沖縄県

肩こりや腰痛(※腰痛の記事)が少ない沖縄県、愛媛県では自覚しているストレスが少なく幸福度が高いという結果になっています。

また、肩こりは 国民病と呼ばれるほど多い症状ですが、日ごろから予防をしている人は少なく「ツラくなってから対処する」という人が多数派なのが現状です。

肩こりのメカニズム

肩こりは筋肉が緊張・疲労し血液循環が滞る事で起こります。以下のような負のスパイラルによって引き起こされることが多いです。

  • 硬くなった筋肉が血管を圧迫
  • 血液の流れが悪くなることで老廃物・疲労物質の蓄積、酸素・栄養の不足
  • 筋肉が硬くなる(痛みの発生)

肩こりの種類

筋緊張タイプ

《特徴》
  • 表面的な硬さがあり、押すと痛い
  • 肩だけでなく背中や首、頭など広範囲の凝りがあり、頭痛を伴う場合もある
  • 「ズキズキ」するような痛み
  • 浅い部分のコリ
《原因》
  • パソコンやスマホの見過ぎなど長時間の負荷
  • 過労やストレス過多により気の巡りが滞る
  • 脱力が苦手でいつも肩に力が入っている

筋肉がほぐれると楽になるためマッサージや鍼がおすすめです。

血行不良タイプ

《特徴》
  • 表面的な硬さがあり、押すと痛い
  • 肩だけでなく背中や首、頭など広範囲の凝りがあり、頭痛を伴う場合もある
  • 「ズキズキ」するような痛み
  • 浅い部分のコリ
《原因》
  • 雨の日など気圧の変化で症状が悪化する
  • 冷えると症状が出やすい
  • 首~後頭部にかけて痛みを感じる
  • 重だるいような鈍痛
  • 深い部分のコリ

冷えや気圧の変化により血管が縮小し血液循環が滞ることで、細胞の酸欠や老廃物・発痛物質が蓄積し痛みが発生します。

深い部分のコリをほぐせる鍼や冷えた部分を温めるお灸がおすすめ。血液循環の改善は局所だけでなく、全身の施術が特におすすめです。

筋力不足タイプ

《特徴》
  • 揉み返しが起こりやすい
  • 表面的な“硬さ”を感じにくい
  • 虚弱体質な方や細い女性に多い
  • “痛み”より“ダルさ”が主症状
《原因》
  • 虚弱体質で筋肉が少なく疲れやすい
  • 運動不足で痩せている

虚弱体質を補う鍼灸がおすすめです。食生活や運動習慣など日常生活の改善が必要。このタイプはマッサージの効果を感じにくい場合が多いのでご注意ください。

肩こりの予防

適度な運動

運動は筋肉の伸縮運動が起こり凝り固まるのを防ぐだけでなく、ストレスの解消や筋力不足解消にもつながります。
※過度な運動は逆効果のためNG

ストレッチ

凝り固まった筋肉を伸ばすことで、筋緊張が和らぎ血液循環を改善します。
また、ストレッチは副交感神経の働きを促し、リラックスする効果もあります

十分な睡眠

疲労を回復するために一番必要な事が睡眠です。良質な睡眠は身体の疲労やダメージをを回復します。

肩こりは朝よりも、夕方の疲労が蓄積している時に感じる人が多いのは、このためです。

入浴

肩こりを引き起こす主な原因は血行不良です。お風呂で身体の深部からじっくり温める事で、血管が拡張し、滞っていた血液循環が改善します。
※38~39℃の湯船に15分以上浸かると◎

肩こりには鍼灸がおすすめ

鍼で筋肉を深いところからほぐし、灸で冷えた部分を温める事で、痛みの発生する負のスパイラルを断ち切ることができます。

痛みの発生している原因(根本)を改善し、痛みの再発をしない身体に変えていくことが、快適な生活を送るためには大切です。

また、日常的なセルフケアとしてお灸がおススメ!1回だけではなかなか効果がわかりにくいですが、継続的に続けることで、じわじわと効果を実感できます。

肩こりに効くツボ

肩井(けんせい)

“肩こり特効のツボ”とも呼ばれるほどの肩こり解消には欠かせないツボ。
症状がなくても1日数回定期的に押す習慣をつけると◎

  • 場所:反対側の肩(首の脇に)手を置いたときに中指の先端が当たる場所
  • 押し方:中指で円を描くように優しく押す(※強く押すと痛い)
  • 押すタイミング:お風呂上りや、肩の不調を感じた時

手三里(てさんり)

筋肉の緊張を緩和させる役割のあるツボ。肩こり以外に寝違えの症状にも効果的
日常的に押す習慣をつけると◎

  • 場所:肘を曲げた時にできるしわの端から親指の付け根に向かって指3本分のところ※押すとツーンとする痛みを感じる
  • 押し方:肘を曲げて反対の手で包むように持ちながら親指を当てて押す(※痛みを感じやすいツボのため優しく押す)
  • 押すタイミング:痛みや疲れを感じた時
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