鍼灸師が教える食いしばりの実態

頭痛、肩こり、腰痛、めまい、アゴが痛むなどの症状の原因となる「食いしばり」。

食いしばりは眠っている間に無意識でしてしまう為、自覚症状がない場合が多いです。

まずはセルフチェックしてみましょう。

私は食いしばりをしている?!セルフチェック!!

☑朝起きた時に顎に痛みや疲労感がある
☑睡眠が浅く疲れが取れない
☑無意識に歯をくいしばっていることに気づいたことがある
☑舌にでこぼこした跡がある
☑頬内側の歯が当たる箇所に白い線がある
☑周囲の人から歯ぎしりを指摘されたことがある
☑最近、歯が欠けたまたは割れた
☑以前よりエラの張りが気になり顔が大きくなった気がする
☑集中すると身体に力が入りやすい
☑疲労またはストレスが多い

2つ以上当てはまる項目があれば、食いしばり・歯軋りを無意識に行っている可能性があります

食いしばりの主な原因

①ストレス
食いしばりの原因の中でも圧倒的多数がストレスによるものです。
そのため、改善を目指すためには食いしばりの局所である顎へのアプローチだけでなく
日常生活を見直す必要もあります。

②習慣
*瞬間的に力を出すようなことがある方(スポーツ選手や重い物の運搬をする方など)
*長時間集中して作業をする方(PC作業など)

食いしばる事で起こる主な症状

①歯が割れる・欠ける・すり減る
人間のあごの力は非常に強く、数百Kgの力が加わると言われています。
(※食事などの日常的な使用では40~60Kg程度)
この負荷が日常的にかかれば人体で一番硬いと言われる歯ですら破損してしまいます。

また、歯が欠ける事で虫歯にリスクの上昇や歯髄炎などになってしまう事もあるので要注意

②顎関節症
食いしばるという行為で顎に多大な負荷がかかる事で関節が歪み、顎関節症を引き起こし、口が開かない、口を開けるときに「ガクン」とクリック音が鳴る、顎が外れるなどの症状を引き起こします
※顎関節症で唾液腺を圧迫すると唾液の分泌が阻害され「ドライマウス」になることもあるので要注意

③頭痛
食いしばり動作は顎だけでなく側頭部にも力が入ります(※こめかみの辺りに触れながらぐっと噛みしめてみると筋肉の動きがよくわかります)
長時間の緊張状態に晒される事で血管を圧迫し緊張性頭痛を引き起こします

④首・肩こり
頭痛と同様、食いしばり動作は首・肩にも力が入り緊張して硬くなった筋肉が首・肩こりを引き起こします。
また、首・肩こりの症状が強くなるストレスでより食いしばりを起こしてしまうという悪循環を生み出しやすいので要注意

食いしばりの予防

食いしばりの予防には2種類あります

①食いしばり起こす原因を取り除く
当然ながら食いしばりをなくすことが1番の予防となります。
しかし、原因でも触れたように食いしばりはストレスなどの環境的要因や習慣的要因が主であるため今すぐ改善する事が難しい場合も多くあります

②食いしばりから歯を守る
現状最も一般的な方法となっているのが「歯の保護」としてマウスピースの装着です。
歯科で検診を受けて自分に合ったマウスピースの作成をしてもらいましょう。
歯ぎしりによる不快音、噛みしめる事による歯の欠損などを予防します。

鍼灸とボトックス

最近では上記の2つの予防方法の他に「鍼灸」と「ボトックス」でのケアも注目されています。

【鍼灸】
食いしばる事で「咬筋」が硬くなり顎の痛みを引き起こします。
このストレスにより更に食いしばる、、、という悪循環を断ち切るために鍼灸を行います。
鍼は咬筋への直接の刺激が可能となり、ストレスの緩和や余分な力みを解消させる効果が期待できます。
また、電気を流して筋肉を動かすことでより効果を発揮します。

【ボトックス】
菌の作用を利用して筋肉を弛緩させる効果があります。
主に美容皮膚科で受ける事ができます。
効果には持続期間があり、効いているうちは食いしばる際に強い力がかからなくなるため、顎を保護する事ができます。
ただ、食いしばりじたいの根本改善にはならないため、効果のあるうちに食いしばりの原因となる状況を改善する必要があります。

・理想的なケアは同時進行
食いしばりは日々行われる習慣的な動作となっていることが多いため、
負担のかかるあごや歯の「保護」と「原因の改善」を同時に行うことが望ましいです。

最近、あごに不調を感じる方はまずは歯科検診を行い、鍼灸で筋肉を緩めてみてはいかがでしょうか。

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